ベクトルの回転(補足その5)物理での定積分の意味

(数学と物理学との積分の違い)

この面積とは数学上だと単位を持たない数量で扱います。

すなわち数学上のグラフだとx軸、y軸とも単位はありません。

一方、物理学上で計算する面積とは、土地の面積と同じで

㎡という単位で表され、長さの自乗の次元を持っています。

そこで

関数y=f(x)の代わりにy=v(t)として

但し 車のある時刻でのv=速度(m/s) t=時刻(s)

定積分

  b
L=∫v(t)dt
  a

は、グラフ図形では定積分と同じ面積を表しますが

時刻として a=t1(s) b=t2(s)だとすると

時刻t1から時刻t2までの間に車が進んだ

距離L(m)が求まることになります。

この場合の定積分の結果は

算数で習うところの(速さ)×(時間)=(道のり)

となる計算を定積分の方法で求めたことになります。

但し、この速度v(t)は常に一定の場合ではなく

車が交差点を青信号でスタートし、次の信号の赤で止まるように

最初は0からスタートし、途中も速度が時々刻々と変化しながら

進行して次の赤信号で止まるといった様子を想像してください。

このような速度から計算するには

x軸となる幅Δtを細かい短冊に切り分けて

1つ1つの短冊の面積v(t)Δtが、時刻tからt+Δtまでに

進んだ距離を表しています。

それでは、なぜ面積を求める式の定積分のはずが

結果として距離となるのかは、グラフを描いた横軸=x軸には時刻t

縦軸=y軸には速度vという次元を持った量を指定したことです。

これにより、定積分で得られる結果は、求積法で計算したとしても

単に面積ではなく、

次の次元の関係から結果は距離を示すことになるのです。

  t2
L=∫v(t)dt だと 単位(m)=(m/s)×(s)
  t1

となって単位が(m)となるので距離が求まります。

すなわち、同じ面積を求めることであっても

その時に与えられる計算パラメータの単位が違うと

結果の意味が異なっているのです。

つまり、グラフで示すx軸やy軸がそれぞれどんな次元を

持っているかを認識することが大事なのです。

画像


高校の物理で習うところの

ばねの仕事量(蓄積するエネルギー量)を求める公式がありました。

ばねをx軸上でx(m)だけ引っ張ったときの復元力Fは

F(x)=-kx 但しkは比例定数

ここで右辺が-となるのは、

引っ張る方向と反対の力が発生するからです。

この位置エネルギーを求めるには、

これと同じ大きさの逆向きの力をばねに加えて

ばねののびがx0になるまでゆっくりとひきのばしたときに必要な仕事を求めます。

ばねがxまでのびた状態で、さらにあとdxだけのばすために必要な仕事量dWは

dW=-F(x)dx=kxdx

(仕事量)=(力×距離)

これより求めたい仕事(蓄積エネルギー)は、これを全部足し上げると

      x=X0     x0       x0
W(x0)=∫  dW=-∫F(x)dx=∫kxdx=(1/2)k(x0)^2
      x=0      0        0

これは、上図の三角形の面積と等しいことがわかります。

この面積が、仕事あるいはエネルギーという次元となることは

縦軸が力の単位を横軸が長さの単位の次元をもつことから

そう言えるのです。


ここで、物理学で使える定積分は、

「微小な区間に分けて、その刻み幅を掛けて足し上げていく。」

という手法のことであるとわかりました。


そして、より一般的化することで

その適用範囲を広げることができて

例えば、微小な幅として、

速度ならば、微小時間dtでしたが、

これを

微小長さdl(本によっては drやdsと表記したりします。)

微小面積dS

微小体積dV

というような次元へ置き換えて計算していくことができるのです。

それらが、それぞれ線積分、面積分、体積積分となっています。

そして、前回の周回積分とは、この微小長さdlに関する積分を

空間上で1周する範囲で行う積分であったのです。

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この記事へのコメント

2012年08月31日 10:27
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

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