第2章アンテナ理論・ヘルツダイポール(5)電磁界成分の吟味

 電磁界成分を表す式(2.7)、(2.10)、(2.11)の
各式をもっとよく理解するために、これらの式を詳しく分析します。

 まず、ErとEθのうちの1/r3 の項を抜き出して書きますと

Er=(2IΔl/jω4πεr3 )cosθ・e-jκr ...(2.12)

Eθ=(IΔl/jω4πεr3 )sinθ・e-jκr  ...(2.13)

いま、Δlの両端に実効値±Qの電荷が存在する電気双極子を

考えますとそのモーメントmは

m=QΔl

また、瞬時値については

i=dq/dt=jωq

したがって

I=jωQ

これを式(2.12)と(2.13)に代入しますと

Er=(2m/4πεr3 )cosθ・e-jκr ...(2.14)

Eθ=(m/4πεr3 )sinθ・e-jκr  ...(2.15)

となります。

 上式は、e-jκr の位相項をもつことを除けば、

ちょうど電気双極子mによる静電界の場合の値に

一致していることがわかります。

これを静電界の項といいます。

(位相項をもつことから準静電界とも表現したりします。)


これが、アンテナ工学関係本で紹介されている

「アンテナから放射される電磁波の成分は

静電界、誘導電磁界、放射電磁界 の3つに

分類できる。」


と記述がある「静電界」に該当します。





ブログ記事をずっとご覧いただいて

いるかた方には、ここでいう「静電界」とは

単なる電磁気学の基礎である「静電界」ではないと

いうことは、今までの説明でご理解いただけたと

思っています。


また、この理論は、私独自の理論ではなくて

いろいろな電波工学関係本にとりあげられている

アンテナ工学の基本となる内容です。

例えるならば、英語の習うときのA,B、Cに相当する

ような基本中の基本ともいえる部分です。


( 次回は、1/r2 の項を説明します。)

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