「ストークスの回転定理」の証明(その1)微小長方形での証明
ストークスの回転定理は
ベクトル関数F(r)を閉じた曲線L上で一周線積分した結果は、
Lを線とする任意の曲面S上での面積積分によって次のように示せます。
∮F(r)・dr=∫[▽×F(r)]・n(r)dS ....(1)
S
この証明は、次のような微小な長方形の図から求めます。
法線ベクトルn(r)は、図の矢の先端方向で表すように
Lの線積分のとる方向に対して、右ねじを巻いたときに進む方向となります。
∮は、閉じた経路にそって一周する線積分を行うことを意味します。
右辺の∫の下にある「S」は、面積分であることを意味します。
上記式は、両辺ともにベクトル関数ですが、内積なので
結果は、どちらもスカラー量となります。
また、両辺とも座標系のとり方には依存しません。
そのため、上図のような微小な長方形に沿った線積分を想定します。
座標系はどうとっても結果は同じとなりますから
ここでは、長方形の横をx軸に、縦をy軸にとっています。
長方形の中心座標を(x,y,z)としています。
長方形の横の長さをΔx、縦の長さをΔyとしています。
すると、線積分は4つの辺、L1~L4上までの積分に
分けることができます。
(証明は先の補足内の定積分の定理で説明済み)
r=(x、y、z)は、今回、長方形の中心点となる位置を示すため
これとxとyの変数は違うことを明示して、
r’=(x’,y’,z)をいう変数で式(1)右辺を示せば
(zはxy平面では、常に一定なので、長方形中心の位置zとなる。)
∮F(r’)・dr’=∫F(r’)・dr’+∫F(r’)・dr’
L L1 L2
+∫F(r’)・dr’+∫F(r’)・dr’
L3 L4
ここで L1とL3に注目しますと
y’位置とz位置は一定なので、dr’=(dx’,0,0)
同様にL2とL4は
x’位置とz位置が一定なので dr’=(0,dy’,0)
となります。
そうしますと
関数F(r’)のx方向成分をFx(r’)として
y’=y-Δy/2で一定、z座標位置はここでは、常にzであるので
L1の線積分は
x+Δx/2
∮F(r’)・dr’=∫Fx(x’,y-Δy/2,z)dx’
L1 x-Δx/2
ここで、L1上のx座標の中央点をx’=xとした積分式への近似値を適用しますと
∮F(r’)・dr’=Fx(x,y―Δ/2,z)Δx
L1
となります。
なぜならば
x、y、zは、長方形の中心点となる位置座標を示します。
Fxは、関数F(r’)のx方向成分です。
定積分関数の近似計算を求めるために補足でやりました
定積分における「平均値の定理」を使いますと
∫Fxdxの値は
L1
Fx(x-Δx/2,y-Δ/2,z)と
Fx(x+Δx/2,y-Δ/2,z)の
中間値すなわちx’=xである場合の
Fx(x,y-Δ/2,z)に
L1の長さ、すなわちΔxを掛けた面積であると
と近似することができます。
―――――――――――――――――――――――――――――――
(補足の積分における平均値の定理からの公式)
b
∫f(x)dx=(b-a)f(ξ)
a
但し ξ=a+θ(b-a) (0<θ<1)
b-a=(x+Δx/2)-(x-Δx/2)=Δx
ここで ξは、
a=x-Δx/2
b=x+Δx/2
であるので、この中間値が求めるξとすると
θ=1/2として
ξ=(x-Δx/2)+{x+Δx-(x-Δx)}/2
=x
となるので
f(ξ)=f(x)
ここでは、3次元空間を示す式で表現しますので
x’=ξ=xとなって
これを上式のFx(x’,y―Δy/2,z)に代入したものとなって
Fx(x,y―Δy/2,z)
これに平均値の定理の(b-a)=Δxを掛けることで
このFxの定積分の近似値が求まりますから
∮F(r’)・dr’=Fx(x,y-Δy/2,z)Δx
L1
となりました。
※これを説明するために定積分の補足として
積分での平均値の定理を先に実施したのです。
――――――――――――――――――――――――――――――――
同様な考えをL3に適用すると
L3の線積分は、図面から見て
x-Δx/2
∮F(r’)・dr’=∫Fx(x’,y+Δy/2,z)dx’
L3 x+Δx/2
=Fx(x,y+Δy/2,z)(-Δx)
となります。
---------------------------
なぜならば
y’=y+Δy/2とzは一定なので、変化なし。
x’=ξ=x-Δx/2-{x-Δx/2-(x+Δx/2)}/2=x
b-a =x-Δx/2-(x+Δx/2) =-Δx
----------------------------
次にL2上でのy座標の代表点は、
長方形の中心点となる位置の座標である
y’=yが中央値と考えた場合となり
L2の線積分は
y+Δy/2
∮F(r’)・dr’=∫Fy(x+Δx/2,y’,z)dy’
L2 y-Δy/2
=Fy(x+Δx/2,y,z)Δy
L4の線積分は
y-Δy/2
∮F(r’)・dr’=∫Fy(x-Δx/2,y’,z)dy’
L4 y+Δy/2
=Fy(x-Δx/2,y,z)(-Δy)
と求めることができます。
そして
これらL2~L4の線積分の計算結果を全て足し込みますと
∮F(r’)・dr’=Fx(x,y-Δy/2,z)Δx
L
+Fy(x+Δx/2,y,z)Δy
+Fx(x,y+Δy/2,z)(-Δx)
+Fy(x-Δx/2,y,z)(-Δy)
=(1/Δy){Fx(x,y-Δy/2,z)-Fx(x,y+Δy/2,z)}ΔxΔy
+(1/Δx){Fy(x+Δx/2,y,z)-Fy(x-Δx/2,y,z)ΔxΔy
Fy(x+Δx/2,y,z)-Fy(x-Δx/2,y,z)
={ ――――――――――――――――――――
Δx
Fx(x,y+Δy/2,z)-Fx(x,y-Δy/2,z)
- ―――――――――――――――――――― }ΔxΔy
Δy
ここで、この極限をとると{ }内で示す式は、
それぞれ、∂Fy/∂xと∂Fx/∂yを表す偏微分の定義のかたちとなって
∮F(r’)・dr’
L
→{∂Fy(x,y,z)/∂x-∂Fx(x,y,z)/∂y}ΔxΔy
={∂Fy(r)/∂x-∂Fx(r)/∂y}ΔxΔy
ここで{ }の部分は、関数F(r)の回転 [▽×F(r)]のz方向成分となります。
そして、法線ベクトルnがxy平面に垂直な単位ベクトルなのですから
n(r)=(0,0,1)です。
そして、この微小長方形についての面積分を見れば
ΔS=ΔxΔyですから上記のΔxΔy項は、ΔSに置き換えできます。
さらに積分式に置き換えますとΔSは、dSと表記が書き換わりますから
∮F(r’)・dr’
L
=[{▽×F(r)}z成分]ΔxΔy
=[▽×F(r)]・n(r)ΔS
=∫[▽×F(r)]・n(r)dS
ΔS
と積分式からの展開式を逆に元へ戻していくと積分式で示せました。
すなわち
∮F(r)・dr=∫[▽×F(r)]・n(r)dS ....(2)
L ΔS
となって
これで、微小な長方形ならば、最初に示した式が成り立つことを証明できました。
ここでは、両辺ともスカラーであるがゆえに
座標のとりかたに関係せず、式(2)が成り立つと言えます。
(前記事の訂正についてのお知らせ)
前回の「ストークスの回転定理」のアンテナ本による解説で
電流I 、電流密度J、磁界回転量rotH等をスカラーとするための
面積ΔSの法線方向単位ベクトルnとの内積で表示すべき部分が
・n の記載がもれていましたので、訂正しました。
アンテナ本自体がこの表示を省略して書いているので
左辺がベクトル量なのに右辺がスカラー量であったりしています。
そのような式は、ベクトル計算ではありえません。
必ず、式の片辺がベクトルならば、他辺はベクトルに、
片辺がスカラーならば、他辺はスカラーとなります。
それを今回統一するように法線方向ベクトルとの内積を示し、
その結果、スカラー量であることを明示したものです。
また、数学の定積分から物理の線積分までの解説部分も
一部訂正した箇所があります。
こちらは、内容の誤りではなく、表記の問題のみです。
(今回の微小長方形の証明でも誤り訂正がありました。)
図面において x+Δx/2 と x-Δx/2の位置が反対だったので
正しい図面へと差し替えました。
また、内容が誤りではありませんが、
まず、x’=x、yとzは一定となる条件で
L1での説明を最後まで完遂して説明をし
次に、その考えをL3に適用して説明をした後
今度は、y’=y xとzは一定とした条件を
L2とL4へ適用して
各線分に対する数式の説明順番へと入れ替えています。
ベクトル関数F(r)を閉じた曲線L上で一周線積分した結果は、
Lを線とする任意の曲面S上での面積積分によって次のように示せます。
∮F(r)・dr=∫[▽×F(r)]・n(r)dS ....(1)
S
この証明は、次のような微小な長方形の図から求めます。
法線ベクトルn(r)は、図の矢の先端方向で表すように
Lの線積分のとる方向に対して、右ねじを巻いたときに進む方向となります。
∮は、閉じた経路にそって一周する線積分を行うことを意味します。
右辺の∫の下にある「S」は、面積分であることを意味します。
上記式は、両辺ともにベクトル関数ですが、内積なので
結果は、どちらもスカラー量となります。
また、両辺とも座標系のとり方には依存しません。
そのため、上図のような微小な長方形に沿った線積分を想定します。
座標系はどうとっても結果は同じとなりますから
ここでは、長方形の横をx軸に、縦をy軸にとっています。
長方形の中心座標を(x,y,z)としています。
長方形の横の長さをΔx、縦の長さをΔyとしています。
すると、線積分は4つの辺、L1~L4上までの積分に
分けることができます。
(証明は先の補足内の定積分の定理で説明済み)
r=(x、y、z)は、今回、長方形の中心点となる位置を示すため
これとxとyの変数は違うことを明示して、
r’=(x’,y’,z)をいう変数で式(1)右辺を示せば
(zはxy平面では、常に一定なので、長方形中心の位置zとなる。)
∮F(r’)・dr’=∫F(r’)・dr’+∫F(r’)・dr’
L L1 L2
+∫F(r’)・dr’+∫F(r’)・dr’
L3 L4
ここで L1とL3に注目しますと
y’位置とz位置は一定なので、dr’=(dx’,0,0)
同様にL2とL4は
x’位置とz位置が一定なので dr’=(0,dy’,0)
となります。
そうしますと
関数F(r’)のx方向成分をFx(r’)として
y’=y-Δy/2で一定、z座標位置はここでは、常にzであるので
L1の線積分は
x+Δx/2
∮F(r’)・dr’=∫Fx(x’,y-Δy/2,z)dx’
L1 x-Δx/2
ここで、L1上のx座標の中央点をx’=xとした積分式への近似値を適用しますと
∮F(r’)・dr’=Fx(x,y―Δ/2,z)Δx
L1
となります。
なぜならば
x、y、zは、長方形の中心点となる位置座標を示します。
Fxは、関数F(r’)のx方向成分です。
定積分関数の近似計算を求めるために補足でやりました
定積分における「平均値の定理」を使いますと
∫Fxdxの値は
L1
Fx(x-Δx/2,y-Δ/2,z)と
Fx(x+Δx/2,y-Δ/2,z)の
中間値すなわちx’=xである場合の
Fx(x,y-Δ/2,z)に
L1の長さ、すなわちΔxを掛けた面積であると
と近似することができます。
―――――――――――――――――――――――――――――――
(補足の積分における平均値の定理からの公式)
b
∫f(x)dx=(b-a)f(ξ)
a
但し ξ=a+θ(b-a) (0<θ<1)
b-a=(x+Δx/2)-(x-Δx/2)=Δx
ここで ξは、
a=x-Δx/2
b=x+Δx/2
であるので、この中間値が求めるξとすると
θ=1/2として
ξ=(x-Δx/2)+{x+Δx-(x-Δx)}/2
=x
となるので
f(ξ)=f(x)
ここでは、3次元空間を示す式で表現しますので
x’=ξ=xとなって
これを上式のFx(x’,y―Δy/2,z)に代入したものとなって
Fx(x,y―Δy/2,z)
これに平均値の定理の(b-a)=Δxを掛けることで
このFxの定積分の近似値が求まりますから
∮F(r’)・dr’=Fx(x,y-Δy/2,z)Δx
L1
となりました。
※これを説明するために定積分の補足として
積分での平均値の定理を先に実施したのです。
――――――――――――――――――――――――――――――――
同様な考えをL3に適用すると
L3の線積分は、図面から見て
x-Δx/2
∮F(r’)・dr’=∫Fx(x’,y+Δy/2,z)dx’
L3 x+Δx/2
=Fx(x,y+Δy/2,z)(-Δx)
となります。
---------------------------
なぜならば
y’=y+Δy/2とzは一定なので、変化なし。
x’=ξ=x-Δx/2-{x-Δx/2-(x+Δx/2)}/2=x
b-a =x-Δx/2-(x+Δx/2) =-Δx
----------------------------
次にL2上でのy座標の代表点は、
長方形の中心点となる位置の座標である
y’=yが中央値と考えた場合となり
L2の線積分は
y+Δy/2
∮F(r’)・dr’=∫Fy(x+Δx/2,y’,z)dy’
L2 y-Δy/2
=Fy(x+Δx/2,y,z)Δy
L4の線積分は
y-Δy/2
∮F(r’)・dr’=∫Fy(x-Δx/2,y’,z)dy’
L4 y+Δy/2
=Fy(x-Δx/2,y,z)(-Δy)
と求めることができます。
そして
これらL2~L4の線積分の計算結果を全て足し込みますと
∮F(r’)・dr’=Fx(x,y-Δy/2,z)Δx
L
+Fy(x+Δx/2,y,z)Δy
+Fx(x,y+Δy/2,z)(-Δx)
+Fy(x-Δx/2,y,z)(-Δy)
=(1/Δy){Fx(x,y-Δy/2,z)-Fx(x,y+Δy/2,z)}ΔxΔy
+(1/Δx){Fy(x+Δx/2,y,z)-Fy(x-Δx/2,y,z)ΔxΔy
Fy(x+Δx/2,y,z)-Fy(x-Δx/2,y,z)
={ ――――――――――――――――――――
Δx
Fx(x,y+Δy/2,z)-Fx(x,y-Δy/2,z)
- ―――――――――――――――――――― }ΔxΔy
Δy
ここで、この極限をとると{ }内で示す式は、
それぞれ、∂Fy/∂xと∂Fx/∂yを表す偏微分の定義のかたちとなって
∮F(r’)・dr’
L
→{∂Fy(x,y,z)/∂x-∂Fx(x,y,z)/∂y}ΔxΔy
={∂Fy(r)/∂x-∂Fx(r)/∂y}ΔxΔy
ここで{ }の部分は、関数F(r)の回転 [▽×F(r)]のz方向成分となります。
そして、法線ベクトルnがxy平面に垂直な単位ベクトルなのですから
n(r)=(0,0,1)です。
そして、この微小長方形についての面積分を見れば
ΔS=ΔxΔyですから上記のΔxΔy項は、ΔSに置き換えできます。
さらに積分式に置き換えますとΔSは、dSと表記が書き換わりますから
∮F(r’)・dr’
L
=[{▽×F(r)}z成分]ΔxΔy
=[▽×F(r)]・n(r)ΔS
=∫[▽×F(r)]・n(r)dS
ΔS
と積分式からの展開式を逆に元へ戻していくと積分式で示せました。
すなわち
∮F(r)・dr=∫[▽×F(r)]・n(r)dS ....(2)
L ΔS
となって
これで、微小な長方形ならば、最初に示した式が成り立つことを証明できました。
ここでは、両辺ともスカラーであるがゆえに
座標のとりかたに関係せず、式(2)が成り立つと言えます。
(前記事の訂正についてのお知らせ)
前回の「ストークスの回転定理」のアンテナ本による解説で
電流I 、電流密度J、磁界回転量rotH等をスカラーとするための
面積ΔSの法線方向単位ベクトルnとの内積で表示すべき部分が
・n の記載がもれていましたので、訂正しました。
アンテナ本自体がこの表示を省略して書いているので
左辺がベクトル量なのに右辺がスカラー量であったりしています。
そのような式は、ベクトル計算ではありえません。
必ず、式の片辺がベクトルならば、他辺はベクトルに、
片辺がスカラーならば、他辺はスカラーとなります。
それを今回統一するように法線方向ベクトルとの内積を示し、
その結果、スカラー量であることを明示したものです。
また、数学の定積分から物理の線積分までの解説部分も
一部訂正した箇所があります。
こちらは、内容の誤りではなく、表記の問題のみです。
(今回の微小長方形の証明でも誤り訂正がありました。)
図面において x+Δx/2 と x-Δx/2の位置が反対だったので
正しい図面へと差し替えました。
また、内容が誤りではありませんが、
まず、x’=x、yとzは一定となる条件で
L1での説明を最後まで完遂して説明をし
次に、その考えをL3に適用して説明をした後
今度は、y’=y xとzは一定とした条件を
L2とL4へ適用して
各線分に対する数式の説明順番へと入れ替えています。
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