電磁気理論第3弾 その1 ベクトルの基本計算「内積」 

今回から始まる第3弾は、予告のとおり

アマチュア無線の国家試験で名前が出てくる

ビオ・サバールの法則を用いて解説します。

なお、ビオとサバールは、それぞれ別の人名です。

電線に電流を流すことにより生ずる磁気の強さを

実験から求めた法則であると理解しています。

この式からベクトル化した式を誘導して

新たな「ベクトルポテンシャル」を書き加えていくものです。


※ベクトルポテンシャルは、静磁気のところで習います。

 従って今は、未知のベクトルです。


  また、静電場では、似たような関数で

 スカラーポテンシャルがあります。

 このスカラーポテンシャルとは


 静電場の場合の電位のことで

 2点間の電位の差を電位差と呼び、

 普通に電圧と称しているものです。

 従って、なんら難しいものではありません。


静磁気では、ベクトルポテンシャルを

先の静電場の電位にちなみ


「磁位」と呼んでいる本もありますが、

ここでは、その表記を使用していません。

(なぜならば、この理論では磁場をB(=磁束密度)としているので)



前回使用した公式を書きます。

ここで、任意のベクトル関数 、t)に対して

成り立つ公式

 ∇×(∇×) = ∇(∇・)-(∇^2)  ・・・(2)

  ここで ∇^2 は 「ラプラシアン」というもので

   ∇=(∂/∂x)+(∂/∂y)+(∂/∂z)

 に対して、

  こちらは、偏微分を2回する意味をもつ記号で

   ∇^2=∇・∇=(∂^2/∂x^2)+(∂^2/∂y^2)+(∂^2/∂z^2)

 を単に記号化して表示しているものです。

ここの使われている数学式は、

  ・ =内積

 × =外積

だけです。


(ベクトル内積計算の基本より)

この意味を考えていきます。

 ベクトル=(Ax,Ay,Az)

   〃  =(Bx,By,Bz)

 ※単にx、y、z成分を行列表示したもの

それぞれ、x、y、zに対応した単位ベクトル(大きさが1で方向を表す。)

で表します。

これで表示すると

 =Ax+Ay+Az

 =Bx+By+Bz

と同じ意味となります。


ここで、計算に必要な数学知識として

次の2つです。

一つ目は、 

高校数学で習っているはずのベクトルどうしの内積です。


 内積 A・B =|A||B|cosθ


となって、この結果は、スカラー値でした。

(ベクトルと違い、方向成分i,j,kを持たない。)

このx、y、z成分を互いに掛け合わせたものを

求めるのですが、

これの場合は、各方向成分が一致したものが、残ります。

なぜならば

 i・i =1

 j・j =1

 k・k=1

また、他の掛け合わせでは

 i・j=0

 j・k=0

 k・i=0

よって

 例えば AyとBz成分どうしだと結果は、0となって

ゆえに

  = AxBx+AyBy+AzBz

赤線部記入ミスを訂正

となって、同方向成分だけの組み合わせと同時に

スカラーの値となることもわかります。


ここで、演算子∇(ナブラ)の定義から

 ∇=(∂/∂x,∂/∂y,∂/∂z)

ですから、

これを普通のベクトルのx、y、z成分と見立てて

内積計算すれば

 ∇・=∂Ax/∂x+∂Ay/∂y+∂Az/∂z

となります。


式の意味合いは、の微分値を求めることですが、

各方向成分での微分となる d/dx ではなく、

偏微分の∂/∂x(らうんどxと呼ぶ。)

と表示しています。

すなわち、x成分の微分計算では、

xだけが変数の扱いで

他のy、z変数は、単なる定数です。


この∇・のベクトル解析での意味は、「発散」となります。

又は、div と書いて ダイバージェンスAと呼びます。

この意味の深いところは、

静電気のところで解説することとします。

今は、意味を知らなくても計算は簡単にできます。



次回は、もう一つのかけ算、外積をやります。

今回の主役は、この外積計算です。

計算も内積に較べ、ややこしいのですが、

概念的に理解するのがもっと難しいようで

これを理解できれば、

ベクトルはもうマスターしたと思います。

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