バランの基本と応用(26)伝送線路トランス理論(6)アイソレーション(2)

 「(旧)トロイダル・コア活用百科 山村秀穂著 CQ出版社」の引用です。ただし、記載図は、こちらで作成したものを掲載することとします。※このため、図の内容と本文説明は、原本とは一致していない場合があります。※
 「3.1 伝送線路トランスについて」節p73~74になる「(3)アイソレーションということ」の続きです。


(本論)
 コンベンショナル・トランスは、その原理上のアイソレーションは無限大ですが、伝送線路トランスのアイソレーションは、同相信号に対する阻止インピーダンスの大小に左右されますから、アイソレーションの考察が必要です。

 そこで、第3-14図のような位相反転回路について考えます。
第3-14図位相反転回路.png
出力にあらわれる電圧(Eout)は入力電圧(Ein)と等しく、これは阻止インピーダンスがある程度大きければ成立します。2本の巻線は差動信号の電流に対する往路と復路を形成しますが、巻線1に流れる電流(Ia)は、巻線2の電流(Ib)よりも多く(Ia>Ib)なります。これは図中に青色で示したような電流(I2)の経路が存在するためで、入力端子対と伝送線路に対して電流のつりあいがとれていないことになります。伝達すべき信号は差動信号(I1)ですから、つりあいを崩しているのは、同相成分(I2)であることになります。

 ※この動作モデルは、コモンモードフィルタにおける本来の信号電流(差動信号)と不要輻射となるコモン電流(同相信号)とした場合とまったく同じです。
  また、平衡不平衡回路による信号区分では平衡成分が差動信号となり、不平衡成分が同相信号に相対します。
  バランにおいては、平衡不平衡の変換回路であるのと同時に同相成分に対するアイソレーションを確保する必要があることをこの回路は示しています。※

"バランの基本と応用(26)伝送線路トランス理論(6)アイソレーション(2)" へのコメントを書く

お名前
ホームページアドレス
コメント

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。