高調波アンテナ理論(22)電界強度と放射インピーダンス(6)偶数倍波の場合(1)

 前回の結果から放射インピーダンスZrを求めるには、nが偶数のときとnが奇数のときで求める式が異なることがわかりました。そこで、まず先にnが偶数の場合について考えます。
 ここにおいて必要なことは、定積分についての置換積分を使用する場合の知識です。不定積分との違いは、積分範囲まで置換積分によって、変わることに留意します。
(参考)
 定積分の基本
  https://www.geisya.or.jp/~mwm48961/koukou/definite_integral1.htm
 定積分の置換積分法
  https://www.geisya.or.jp/~mwm48961/kou3/tikan1.htm
あたりが参考となると思います。


(本論)
nが偶数のとき

    βI0       
Wr =───|Az(l)-Az(0)|  ....(3.255)
    jωε


 したがって、放射インピーダンスZrは、nが偶数のとき、(3.255)式から

Zr=Wr/I0^2

    β   l  e^-jβ(l-z)    e^-jβz
 =─────∫ (─────── -──────)sinβzdz ....(3.257)
   j4πεω 0   l-z       z

右辺の積分の前の係数は、β=ω√(εμ)ですから、自由空間(ε=ε0、μ=μ0)では、

  β     -j  μ0
──────=───√(───)=-j30
 j4πεω    4π   ε0


(∵ 上の中式に

  μ0=4π×10^-7、ε0=1/(36π×10^9)を代入しますと

  -j(1/4π)√(144π^2)×10^2=-j120π/4π=-j30

  を得ます。

 )



 (3.257)式の積分の第1項について

2β(l-z)=u  ...(a)

と置いて置換積分しますと

z=0 で u=2βl=2nπ (∵ l=nλ/2 β=2π/λ)

z=l で u=0 (∵ u=2β(l-l)=0 )

(a)の両辺をzで微分しますと

du=-2βdz

また、(a)式から 2βz=2βl-u=2nπ-u、よって βz=nπ-u/2

これから 

sinβz=sin(nπ-u/2)=-sin(u/2) 

 (∵三角関数の基本的な性質から代表として次の記事から参照しますと

  三角関数の公式一覧
   https://sci-pursuit.com/math/trigonometric-function-formulae.html

   sin(2n'π+θ)=sinθ n'は、整数1,2,・・・ 

   sin(-θ)=-sinθ

   なお、上記のnは偶数ですからn=2n'なので

   sin(nπ-θ)=-sinθ θ=u/2を代入しますと上式となります。

  ) 

したがって、

l e^-jβ(l-z)        0  e^-j(u/2)
∫──────── sinβzdz=∫ ─────── sin(u/2)du               
0   l-z        2nπ   u

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