3.2.1分布定数回路の基本式-2(後編)

 分布定数の考え方は、高周波回路において
重要なとらえ方です。
高周波を取り扱い慣れているはずの
かたでも、陥りやすいのが、集中定数の
L,C,Rだけで考えてしまって、見えていない
他の分布定数への対応を怠ることです。

 さて、前回の続きとして、

周波数がじゅうぶん高いときには、
R≪ωL、G≪ωCとなるので、

ZY=(R+jωL)(G+jωC)

  ≒-ω^2LC

であり、ω^2LCをβ^2と置くと
(3.54)式と(3.55)式は、

d^2Vx
────+β^2Vx=0   .....(3.56)
dx^2

d^2Ix
────+β^2Ix=0   .....(3.57)
dx^2

β=ω√(LC)     .....(3.58)

上式から、Vx、Ixは波動方程式の解として
求まることがわかります。

VxをAe^-jβxと置いて(3.56)式に代入して計算しても、
Be^jβxと置いて計算しても等式は成立しますから

Vxの一般解は、

Vx=Ae^-jβx+Be^jβx   .....(3.59)

 この(3.59)式を(3.56)式に代入して計算しても、
当然、その等式は成立します。

(3.59)式からβxが2πの整数倍になるごとに
Vxの値は同じ値を繰り返しますから、
Vxはx方向に対し、ある波長λaで変動する値を
示します。

したがって、λaは、

βx(x=λa)=2π



λa=2π/β

このβは、単位長さあたりの位相を表す定数で、位相定数です。
上式から

β=2π/λa   .....(3.60)

IxをA,Bで表現するために(3.59)式を微分して(3.52)式に
代入すれば、

    jβ
Ix=───(Ae^-jβx-Be^jβx)
     Z

     β
  ≒───(Ae^-jβx-Be^jβx)
    ωL

      C
  =√(─)(Ae^-jβx-Be^jβx)
      L


いま、Zk=√(Z/Y)

     ≒√(L/C)   .....(3.62)

と置けば、

   1
Ix=──(Ae^-jβx-Be^jβx)   .....(3.63)
   Zk

となります。

 Zkは、その線路の特性インピーダンスです。また、e^-jβxの項は

xが大になるにつれ位相が遅れる波、すなわち進行波を示します。

一方、e^jβxの項は位相が進んだ状態になりますから、xが小になる
方向に進む反射波を示します。

Zkは、反射が存在しないときのVx/Ixを示す値で、無限長線路か
あるいは、整合状態におけるインピーダンスを示す値になります。

(3.59)式と(3.63)式が分布定数回路の基本式です。

定数AとBが与えられた条件によってどのように決定するかは、
分布定数回路の問題となります。

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