JO3KRPの独り言

アクセスカウンタ

zoom RSS アンテナ列利得補足-3(指向性の積の原理)

<<   作成日時 : 2017/12/05 18:11  

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 「アンテナの放射指向特性」の項の続きとして、今回の内容です。
前後してしまいましたが、「指向性利得と絶対利得」は、
今回よりも後の内容となっています。

では、古いアンテナ本からの紹介で

2.3.3 指向性の積の原理

 同一アンテナ素子をn個規則正しく配列して給電した場合の
合成放射指向性についてです。

画像


 第2.10図のように、同一アンテナ素子を間隔dでn個並べて
給電したときの合成指向性を求めます。各素子の給電電流は
大きさが等しく、位相がδ[rad]ずつ進んでいるものとします。

 ある1個のアンテナ素子にIe^jδの電流を給電したとき、
これからrだけ離れた点の放射電界Eは、

          e^jkr
E=K’Ie^jδ・────・D
           r

で表します。ここでK’IをKと置いて

         e^jkr
E=Ke^jδ・────・D  .....(2.55)
          r

n個のアンテナ列の合成電界Eoは、(2.55)式の電界の合成であって

第2.10図から

        e^jkr1     e^(jδ-jkr2)   e^(j2δ-jkr3) 
Eo=KD(─────+───────+───────
         r1         r2         r3      

         e^{j(n-1)δ-jkrn}
   ・・・+──────────)
            rn

                                 .....(2.56)

となります。

 電界強度を求める点は、アンテナ列の長さに比べてじゅうぶん遠い点ですから、
各素子からその点までの距離は、

r1≒r2≒・・・・≒rn


ですが、位相項では、各素子の位相差を無視できないので

r2≒r1−dcosθ

r3≒r1−2dcosθ     }.....(2.57)

rn≒r1−(n−1)dcosθ

したがって

δ−kr2=−kr1+δ+kdcosθ=−kr1+Ψ

2δ−kr3=−kr1+2(δ+kdcosθ)=−kr1+2Ψ




(n−1)δ−krn=−kr1+(n−1)(δ+kdcosθ)

                  =−kr1+(n−1)Ψ


ただし、Ψ=δ+kdcosθ  .....(2.58)

これらの式を(2.56)式に代入して簡単にすれば、

      e^jkr1
Eo=K─────・D{1+e^jΨ+e^j2Ψ+・・・・・+e^j(n-1)Ψ} 
       r1

                     .....(2.59)


(2.59)式の{ }内は等比級数であって、その和D'は、t=e^jΨ と置けば

D’=1+t+t^2+・・・・・+t^n-1  .....(2.60)

tD’=t+t^2+・・・・・+t^n-1+t^n  .....(2.61)

(2.60)式から(2.61)式を引いて、D’を求めますと

     1−t^n
D’=─────
     1−t

    1−e^njΨ
  =──────
    1−e^jΨ

     −e^j(n/2)Ψ{e^j(n/2)Ψ−e^-j(n/2)Ψ}
  =────────────────────
     −e^j(Ψ/2){e^j(Ψ/2)−e^-j(Ψ/2)}

              sin(nΨ/2)
  =e^j{(n-1)/2}Ψ─────────
               sin(Ψ/2)


                .....(2.62)


したがって、アンテナ列の合成電界Eoは、


      e^jkr1
Eo=K─────・D・D’   .....(2.63)
       r1

D’の最大値は、Ψ=0のときであって

            sin(nΨ/2)
limD’=lim  ─────────
Ψ→0  Ψ→0   sin(Ψ/2)

         n(Ψ/2)
     =────────
           Ψ/2

     =n          .....(2.64)

 (2.64)式から、n個のアンテナ列の最大電界は1個の場合のn倍
となります。

(2.62)式のD’は、アンテナ素子のかわりに点放射源を置いたときの
点放射源列の合成指向性を表しています。

(2.62)式で{(n−1)/2}Ψの位相項は、給電電流の位相の基準と
距離の基準点を適当にえらべば 0 にすることができます。

 点放射源列の合成指向性係数Dnは、(2.62)式の最大値を1になるように
D’を1/n倍して正規化することで得ることができます。


     sin(nΨ/2)
Dn=────────   .....(2.65)
     nsin(Ψ/2)

全体の合成電界Eoは、


       e^jkr1
Eo=nK─────・D・Dn   .....(2.66)
        r1


(2.66)式からわかるように、アンテナ列の合成指向性は、その素子の
指向性係数を点放射源で置きかえたときの放射源列の合成指向性係数を
掛けたものに等しくなります。これを指向性の積の原理といいます。



テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
アンテナ列利得補足-3(指向性の積の原理) JO3KRPの独り言/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる